ポピュラーピアノの弾き方①

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🔷ポピュラーピアノとはクラシックピアノに対して、現代的な曲、ポップスや映画音楽などをピアノ向けにアレンジした曲や演奏をいいます。

クラシックピアノから入られた方はポピュラーピアノはまるで違うものと思った方がいいと思います。クラシックピアノが学ぶ音楽だとするならばポピュラーピアノは楽しむ音楽です。自分らしさを大事にするピアノです。譜面をそのまま弾いている限りそれはポピュラーピアノでなくクラシックピアノです。

ポピュラー・ピアノは楽譜が無くても、楽しく自由に思いのままに弾けることが理想です。クラシックとは違う指使いやペダルの使い方などもあります。ある意味「お行儀の悪い」スタイルなのかも知れませんが自由に創造的に楽しむのがクラシックとの大きな違いです。

生徒さんがどうしてもしっくりこない箇所があると「じゃ、こう直してみたらどうですか?」と提案することがあります。生徒さんは大抵ビックリ!します。
「譜面を直すなんて初めて聞きました!」

ポピュラーピアノの楽譜は自分が弾きたいように自分らしい演奏になるようにアレンジして構わないのです。そのための知識と技術を伝えるのがポピュラー・ピアノの講師です。

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では実際にポップスの名曲をポピュラーピアノにアレンジされた曲の構成を見ていきましょう。
曲目はカーペンターズの「クロス・トゥー・ユー」です。
楽譜は著作権に配慮して一部だけにします。(本当はそれもいけないんですけど、あくまで学習のため)
曲の三大要素は「メロディ」と「ハーモニー」と「リズム」ですね。それらをうまく料理して、両手に割り振りオリジナルの曲を再現します。

まずはピアノソロにアレンジされた演奏を聴いてみて下さい。
演奏の楽譜です。

Close To You01

比較的オリジナルに近いアレンジです。

この曲は楽譜の最初の表記にもある通り8分音符がスイングします。
8分音符を3連譜のノリで弾くのですが、楽譜を3連譜の連続で書くとごちゃごちゃして見づらくなります。
(5小節目のメロディが本来の譜割)
ポピュラーでは譜面が見やすいことも大事ですから、このように表記することが多いです。


イントロはオリジナルを再現します。すごく素敵なイントロでこのフレーズを聞いただけで曲が分かりますね。
5小節目から歌のメロディになりますが、ワンコーラス目の出だしなので少し静かな感じで音数少なめです。ピアノソロのアレンジというと、とかく音数を増やしてしまいがちですが曲の展開を考慮してアレンジしていきます。
最初はシンプルにメロディを提示していく感じがこの曲に合っています。

キー(調)はオリジナルが一番よいと思いますが、歌い手に合わせて曲が作られているためにピアニストにとって少し苦労するキーになっていることもあります。
弾きやすいキーが近くにあるなら変えても構わないと思います。この曲のオリジナルは
A♭ですが G に移調しました。

🔷ワンコーラスごとにバリエーションを付けよう。

さて、この後はどのようにアレンジしたらいいのでしょうか。

たいていのポップスの曲には歌があります。つまり歌詞があるわけですね。そのため1コーラス目と2、3コーラスが同じようなアレンジでも、歌詞がストーリーを持っているので変化のなさを感じさせません。ところがソロピアノで演奏する場合、1、2、3番を同じ演奏にしてしまうと飽きてしまうことがあります。

それを補う方法として
1)伴奏にバリエーションを付ける。
2)メロディにオクターブの変化や和音付けをする。
3)半音上げて転調して盛り上げる。

などがよく使われる手ですが、その他にも色々あります。
ピアノソロにアレンジされた楽譜を見て、弾いてみて、自分のアレンジの幅を広げてください。


次にわたしがアレンジした別バージョンの「クロス・トゥー・ユー」をお聞きください。
まったく違う雰囲気にアレンジするのもポップスピアノの楽しみです。

カーペンターズの「Close To You(遥かなる影)」のアレンジ演奏動画
原曲のリズムを少し変えて落ち着いた感じのソロピアノにしてあります。
しっとりした大人の感じで少しジャズテイストのコードがつけてあります。
楽譜をご希望の方はこちら

作曲:バート・バカラック、ハル・デイヴィッド
ピアノ:中村 浩