テーマのない練習はあまり意味がありません



仕事に家事に遊びに忙しい中、ピアノを習っている皆さん。
きっとこう思ったことあるんじゃないですか?
「あ、ピアノ練習しなきゃ!」

ピアノは苦行ではありませんよ。
ピアノを始めた頃のワクワクを思い出してください。

「全然上手くならない」とか
「指が短いから」とか
「結局、才能ないんじゃない?」とか

自分を傷つけるような事ばっかり考えずに
楽しいと思える練習、曲を優先的にやってください。

ピアノに向かう時は
「よーし、やっと練習出来る。楽しむぞー!」
と声に出してポジティブな気持ちに切り替えて下さい。

その気持ちにしてくれる大事なアイテムは
もう少しで弾けそうな、あなたにとってちょっとだけ難しい楽譜です。
弾けた時の達成感は最高です!
テーマのない練習はあまり意味がありません。

でも、どうしても練習する気になれない時は?

そうです。無理しないでお休みです!

中村 浩



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プレーヤーとミュージシャン


わたしはプレーヤーとミュージシャンには違いがあると思っています。

プレイヤーは演奏するために指示や楽譜が必要です。演奏するために完全な楽譜を必要とするピアニストです。

ミュージシャンはプレイヤーであり即興演奏家です。想像力を持ち、曲をアレンジし、自発的に好きなスタイルで演奏することができます。

どちらが良いとか優れているとか言うつもりはありません。

ほとんどのピアニストはプレイヤーです。

ピアニストは優れた楽譜を丁寧に弾きこなし表現することに無上の悦びを感じる人たちです。その気持ちこそが世界中多くのピアニストが毎日練習に向かわせるモチベーションになっています。

ただ、読譜力、表現力に加え、即興力、想像力に満ちたプレイヤーになればもっと楽しいのではないかと提言したいと思うのです。
その手段として
Play by Earの習得をお勧めしています。


Play by Ear は耳コピ、リードシート、またはコードチャートから即興で任意の曲を演奏する能力を表す用語です。リードシートとはメロディとコードが書かれたシンプルなメモのような楽譜のことです。)

モーツァルトからジャスティン・ビーバー、さらには辻井伸行さん、世界中のあらゆる音楽家がPlay by Earで演奏しています。

次回は芸術と即興性、リードシートと楽譜についてお話しします。

中村 浩


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モーツアルトのオバケ



大好きなコミック「ピアノの森」にこんなエピソードがあります。

ピアノコンクールに出ることになった主人公のカイ君(小学生)。
課題曲はモーツアルトのK280です。
自分の番が来てピアノに向かうと、そこにはモーツアルトのオバケたちが待ち受けていました。
「さぁ君はどんなモーツアルトを聴かせてくれるんだ?つまんない演奏なら楽譜を返してもらうよ。」

カイは意地悪なモーツアルトのオバケを黙らせような懸命に弾き始めます。
すると観客はざわめき出しました。その演奏はカイのピアノの先生(世界的著名ピアニストだった)を彷彿させる素晴らしいものだったのです。しかし、何故かモーツアルトのオバケたちは不機嫌そうです。

すると、突然カイは演奏を止めました!
観客も「このまま弾いて入ればコンクール優勝は間違いなしだったのに」と驚くばかりです。

カイはネクタイを解き放ち、靴を脱ぎ飛ばし「やめた、こんなの自分じゃない。オレのモーツアルトを弾いてやる!」とアタマから弾き始めます。それは貧乏だったカイが森に捨てられたピアノで遊びながら身に付けた独自のスタイルです。

観客はすぐに魅了され、興奮し、弾き終わると総立ちでスタンディングオベーションを送りました。
モーツアルトのオバケたちは笑顔で消えていきます。

しかし、カイはコンクールの上位には入れませんでした。テンポや強弱など楽譜を無視した演奏だったため「あれを評価したら他の子に示しがつかない。」という理由でした。

先生はカイを世界に連れ出すことを決心します。

僕はこのエピソードが大好きです!
あなたはどう思います?

中村 浩

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楽典って?

楽典

「楽典」は『Musical Grammar』の日本語翻訳版のことです。
多くの日本人が「楽典」で理論を学んだと思います。私もその1人です。

日本人である私たちには日本語で書かれている「楽典」が便利であったことは間違いありません。
しかし指導する側になった今、多くの不満を持っています。

C
メジャーとハ長は同じ意味ですが、「楽典」で勉強をされた方はハ長の言い方に馴染んでいます。

でもハ長調よりもCメジャーで覚えた方がはるかに得です。
何故ならCメジャーというコードはあってもハ長というコードはありません。

また、あなたが外国のプレイヤーやボーカルと一緒に演奏する時「この曲はへ長調で」と言っても絶対理解してもらえません。

「楽典」では、調号も音符も臨時記号も反復記号も全部日本語に置き換えられています。

どうしてこんな翻訳をしたのでしょう。戦時中の英語禁止を思い出します。それによって不利益を被った学習者こそえらい迷惑です。また一から覚え直しです。

海外のカリキュラムやテキストでも勉強したい、色んな国のプレイヤーと演奏してみたい。演奏を動画サイトやSNSで世界に向けて発信したいと考えている人はドンドン増えています。外国の方とのやりとりは英語が基本言語です。

日本の楽典の国際化が必要と考えています。

まぁ、コンテンポラリーな音楽を演っている人達は「楽典」なんか見ないでしょうけど

中村
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新郎のサプライズ



若いイケメン男性がわたしの教室を訪れたのは年明けたばかりの寒い日でした。

「この春に結婚がするんですが、披露宴でサプライズ演奏をしたい。」というご要望。

小さなころにほんの少しピアノを習ったことがあったそうですが、譜面もほとんど読めずほぼほぼ初心者といっていい様子です。

サプライズということは当然自宅などで練習はできません。
週一回40分ほどの練習で本番まで45ヶ月、選んだ曲も決して簡単とは言えない中級者用の曲。
しかも慌ただしい晴れの日の緊張感ハンパない場での演奏。

「簡単な事ではないと思いますが、やる気があれば可能です。」とお答えして

挑戦が始まりました。

仕事が大変忙しく、予定していたレッスン日をちょくちょく変更しながらも練習は順調に進み、ついに最後のレッスン日(結婚式前日)にはミスなしに最後まで弾けるようになりました。

最後に本番を成功させる12アドバイスを終えると、もうわたしにできる事はありません。
あとはうまくいくように祈るだけです。

どうだったのか気にしていたら、結婚式当日夜に新郎からメッセージが届き、動画も添付されてます。

ハラハラしながら再生すると、
立派に最後まで弾ききっていましたよ!!

本人のコメントによると、直前に両親への花束贈呈があり号泣しての即演奏だったので途中からアタマが真っ白になってしまったとのこと。
いやいや全然問題ない素晴らしい演奏で大喝采を浴びていました。

幸せそうな言葉や感謝のコメントが幾つか送られてきたあと

「ピアノって本当にイイすね!」

この言葉が聞きたかったのよ。
大変だったけど、引き受けてよかったと思いました。

中村
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ドレミファの不思議


♫ドレミファソラシド

と聞くと私たちは自然とあの音階を思い浮かべます。

どうしてなんでしょう?

「え、当たり前じゃん」
と答える人は多いと思います。

でも話はそう単純ではないんです。

♫ドレミファソラシドは
全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音の関係になっています。

この時点で「あら、そうなの?ふーん」という方も多いかと思います。

「で、半音って何なの?」「何で全音って半音二つ分なの?」
いろんな質問で頭が一杯になると思います。

そもそも「ド」から「高いド」までの1オクターブが何故12半音で出来ているのか

基本的には倍音の関係で素数やら何やらの数学的根拠に基づいているらしいのですが、1オクターブって本当に12で割り切れているの
ま、細かい(細かくはないけど)ことはさておき、
何故「ドレミ」は明るく感じられ「ドレ♭ミ」は暗く感じるのか、そこは数学的問題じゃないでしょ、と思いますよね。

何故こんな話をしているかというと、
コード進行やらアレンジを教える時にはこの説明から始めないと進まないんです。
長らくピアノを弾いてこられた方でも「ドレミファソラシド」のメジャーとマイナーのスケールの説明をすると
「え、そうだったんですね!初めて知りました。」
とおっしゃる方が少なくありません。
言葉を代えると「当たり前すぎて考えもしなかったけど改めて考えてみると不思議ね」という感じだと思います。

実際に音にして聞かせると、
「な〜るほど!」と納得されるんですけど、理論的に説明するのは簡単ではないんです。

ただピアノの鍵盤の並びを考えた人は偉いなぁと思いますね。
C
メジャー(ハ長調)は全部白鍵で弾けるし、黒鍵はペンタトニックスケールになっていて楽しいし。

次はペンタトニックと「猫踏んじゃった」の話をしたいと思いまーす。

中村


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そんなに欲張らなくても。


大勢の人に届く演奏が出来たなら
その人は人気者になるでしょう。

でも本当はそんなに欲張らなくてもいいと思うんです。

ただ一度の人生に

ただ一人に届く演奏が出来たなら

それさえ叶わなくても、自分が幸せになれる曲が弾けたなら

それは尊いと思います。讃えたいと思います。

ちょっとでも力になれたらと思います。


中村


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